埼玉県の北西部、秩父盆地のほぼ中央に位置する小鹿野町は、日本百名山の両神山、日本の滝百選の丸神の滝、春まつりの屋台歌舞伎など、豊かな自然と伝統芸能が息づいている町です。
登り甲斐のある百名山「両神山」
その昔より、修験の山として多くの修験者に愛されてきた両神山は、標高1,723mの日本百名山のひとつです。
山岳信仰の霊峰であり、両神山、三峰山、武甲山をあわせて「秩父三山」と呼ばれています。
森林帯を流れる薄川(すすきがわ)の登山道には、修験道のなごりの霊神碑や石像が多く点在しています。
急勾配や鎖場などもありますので、ある程度登山経験がある方におすすめの山と言えるでしょう。
山頂からは、天気が良ければ遠くに八ヶ岳、北アルプス、浅間山、そして奥多摩の稜線越しには富士山を見ることができます。
4月下旬から5月中旬には、山頂一帯にピンク色のアカヤシオが咲き誇り、秋口には紅葉も美しいことで知られています。
埼玉県内で唯一「日本の滝100選」に選ばれた名瀑「丸神の滝」
丸神の滝は、三段に分かれており、その全長は76m、岩肌を伝うように落ちる水流がとても美しい滝です。
滝までは、駐車場から渓流沿いの遊歩道を歩き、急坂を登り15分ほどでたどり着きます。
真冬の人工芸術「尾ノ内の氷柱」
例年1月中旬頃から2月中旬頃にかけて見頃の「尾ノ内の氷柱」。
氷柱は沢の奥から水を引き、人工的に作った氷柱で、周囲150m、高さ60mです。今や、小鹿野を代表する冬の観光スポットとして人気のある場所です。
木の枝についている水まで凍らせる独特の氷柱の造形は、神秘的な氷の芸術です。
期間中は甘酒無料サービスが行われ、1月中旬から2月下旬には氷柱がライトアップもされます。
珍しい歌舞伎舞台が見られる「小鹿野春まつり」
毎年4月の第3土曜日と、その前日に行われる小鹿野を代表する祭り小鹿神社例大祭「小鹿野春まつり」。
祭りでは、剣道演武や流鏑馬、そして豪華絢爛な装飾で飾られた歌舞伎舞台が行われます。
小鹿野歌舞伎の始まりは、およそ200年前に初代の坂東彦五郎が江戸歌舞伎をこの地に伝えたのが始まりとされていて、屋台歌舞伎は全国的にも珍しい催し物ですので一見の価値ありです。
多種類のダリアが色鮮やかに咲き誇る「ダリア園」
両神山麓花の郷「ダリア園」は、毎年9月から11月上旬に開園しています。
およそ1万㎡の敷地の広さは、関東地方最大級の面積を誇り、300種類、5,000株のダリアが咲き誇る園内の風景は圧巻の美しさです。
入園は、整備協力金として中学生以上は400円がかかります。
見応えある菖蒲の花が咲く「両神国民休養地 花しょうぶ園」
小鹿野町にある両神国民休養地の「花しょうぶ園(入園無料)」は、かつての棚田を利用し約100種類、10,000株の花菖蒲が植えられています。
見頃は、6月上旬から下旬と短い期間ではありますが、遊歩道は花と花の間に整備されていますので、歩きながら花しょうぶを間近に見ることができます。