広島県福山市は瀬戸内海に面していて、四季を通して気候が温暖でとても過ごしやすく、
自然豊かな環境と歴史的な建造物が数多く残っていることから、観光地としても人気ある地域です。
名城の名にふさわしい江戸時代築城の「福山城」
福山城は、徳川幕府の譜代大名水野勝成が、備後(福山藩)10万石の領主として入府し1622(元和8)年に完成させた城です。
江戸時代に建築された最も完成された名城として、讃えられていたそうです。
城の伏見櫓や筋鉄御門は、京都伏見城から移築されたもので、現在重要文化財となっています。
内部は郷土博物館として運営されており、歴代藩主である水野家、松平家、阿部家の遺品などが展示されています。
福山市の名古刹「明王院」
明王院は、807(大同2)年、弘法大師の開基と伝えられており、本堂は全体に和様式、細部には唐様式を用いた折衷様式で、この様式の現存する最古の建物です。
一方、五重塔は現存する全国の五重塔のうち5番目に古いものとされています。
ご本尊は、本堂が十一面観音、五重塔は弥勒菩薩、本堂には江戸幕府三代将軍、徳川家光と四代将軍家綱の位牌が安置されています。
瀬戸内海にせり出す観音堂「阿伏兎観音」
毛利輝元によって創建された阿伏兎観音(磐台寺)は、国の重要文化財に指定されており、子授け・安産の観音様として古くから信仰されています。
透き通った海のキラキラした輝きと、荒々しい岩肌の上に建てられた朱塗りの「阿伏兎観音」。
竜宮城のような音堂から見る瀬戸内海の美しい眺めは、心洗われる風景として訪れる人の心に感動を与えてくれます。
日本三大火祭りのひとつ、鞆の浦の『お手火祭り(お手火神事)』
鞆の浦の「お手火祭り」は、 京都・由岐神社の「鞍馬の火祭り」、和歌山・熊野那智大社の「那智の火祭り」と並ぶ、日本三大火祭りのひとつに数えられています。
お手火祭りは、勇壮な男たちの神事「お手火神事」で始まります。
青竹と神木・天木香樹(むろのき)で作られた長さ4m、重さ150キロにおよぶ大たいまつ3本に火をつけ、それを氏子の若者が担いで神社の長い石段を練り上がっていきます。
氏子の若い衆は、頭に水をかけられながら熱に堪えながら担ぎ上げ、拝殿を目指していきます。
参拝者はこの神火を小手火に移し、厄除けの護符として家に持ち帰って家内安全を祈念されているそうです。
映画「崖の上のポニョ」の舞台となった鞆の浦
鞆の浦は、その昔から「潮待ちの港」として栄えた場所で、現在でも古い土壁の路地や情緒ある家屋や土蔵などが、そのまま残っている風情ある地域です。
鞆の浦のシンボルといってもいい、鞆港の「常夜燈(じょうやとう)」は1859(安政6)年に建造され、潮待ちの港として栄えた鞆の浦の海上安全を支えていました。海中の亀腹型石積まで含め常夜灯の高さは10mを越す高さで、港の常夜燈としては日本一のサイズと言われています。
幕末に坂本龍馬が乗船した「いろは丸」が、紀州藩の軍艦「明光丸」と鞆の浦の沖で衝突し、紀州藩との賠償交渉のため坂本龍馬は鞆の浦に上陸しました。
町には坂本龍馬ゆかりの場所である交渉の場であった「対潮楼」、龍馬の宿泊跡「桝屋清右衛門宅」、そして沈没船の残骸が展示されている「いろは丸展示館」などの観光スポットがあります。