丹後半島の北部に位置する伊根町は、海の魅力が溢れる町です。
静まりかえるような海傍に建ち並ぶ「舟屋」、浦島伝説で名高い神社など、心が和む安らかなひと時が流れる海辺です。
風光明媚な湾に浮かぶように建ち並ぶ「伊根の舟屋」
伊根湾を囲むように、海辺ぎりぎりに建ち並んでいるので、海から眺めると、まるで海に浮かんでいるかの様に見えます。
海際に建ち並ぶおよそ230軒の「舟屋」と呼ばれる建物の1階は舟を収容し、漁のための網の準備、物置きなどにも利用されています。
2階居間としてりようしているという独特な間取りの家です。
昔、昔のおとぎ話・・・「浦嶋神社」
日本各地にいくつか残っている浦島太郎伝説の発祥の地が、この伊根の地です。
その理由は『古事記』や『日本書紀』『万葉集』にも登場するからだそうです。
浦嶋神社は、当時の丹後の豪族であった浦嶋一族の業績をたたえ、825(天長2)年に建立されたと伝えられています。
浦嶋太郎の物語が細かく描かれた浦嶋絵巻(国指定重要文化財)や、室町時代中期から桃山時代の文様が施されている乙姫小袖(国指定重要文化財)や、玉手箱などが神社にはあります。 ☆拝観無料、宝物資料館のみ400円(要予約)
長い歴史を待つ伊根の夏祭り「本庄祭」
毎年8月に入ると、浦嶋伝説で知られる浦嶋神社の祭礼行事が行われます。
約1200年もの長期間、ずっと続いている地元のお祭りです。
祭りでは、五穀豊穣・豊漁・商売繁盛・家内安全・健康を祈願され、宵宮では提灯を持った若者達が宮入し、裸でもみあうという勇壮な雰囲気たっぷりの祭りです。
勇ましく晴れやかな太刀振りを奉納や、棒降りとともに太鼓の音に合わせて繰り広げられる大太刀や小太刀の突きと払いの動きは一見の価値ありです。
自然の力が織りなす美の世界「のろせ海岸」
のろせ海岸のその景色は、日本海の荒波が造り出した彫刻のような存在です。
沖合には天然記念鳥の生息地として有名な冠島が見えます。
「のろせ海岸」の通りは、伊根から新井崎を抜けて泊への町道で、とても風光明媚な海岸線で車の通行量も少なく、穴場の絶景スポットとなっています。
挽きたて、打ちたて、茹でたての「筒川そば」
伊根町の山里、筒川地域ではそばの実の栽培が盛んで、昼夜の温度差によって育てられたそばの実は引き締まり、その実を石臼でそばの皮を混ぜて製粉し、豊かで綺麗な伏流水を使用して昔ながらの田舎蕎麦へと打ち立てていきます。
筒川では、蕎麦打ち体験が行われており、自分で打った蕎麦を食べることができるのは、蕎麦好きには格別の味わいでしょう。