【富山県高岡市】高岡の伝統工芸と富山湾海の幸をめぐる旅

氷見 ひみ寒ぶり

富山県高岡市は富山県の北西部に位置し、慶長14(1609)年に加賀藩の二代目の藩主、前田利長公によって開かれた城下町でした。
利長公が、隠居城として築城した高岡城は、現在でも高岡古城公園として建築当時の水濠が残っており、地元では桜と紅葉の名所として人気のスポットとなっています。
高岡市の見どころは、風光明媚な雨晴海岸を始め、重要伝統的建造物群保存地区に選定された金屋町、土蔵造りの町並み、そして歴史的遺産とも言われる「雲龍山 勝興寺(うんりゅうざん しょうこうじ)」などがあります。

国定公園「雨晴海岸」の散策の旅

雨晴海岸は、富山県を代表する景勝地であり、JR氷見線の雨晴駅近くの遠浅の海水浴も可能な海岸です。
富山湾越しに連なる立山連峰の雄大な姿が背景に見える雨晴海岸には、その景色の素晴らしさだけではなく、浜にある伝説の岩「義経岩(別名:雨晴岩)」の存在も有名です。
その昔、源義経が落ちのびていく途中にこの地を立ち寄った時、急な雨に見舞われたそうで、洞のような岩の中でにわか雨が晴れるのを待ったという言い伝えがあります。
一説には、弁慶が岩を持ち上げたとも言われており、地名の「雨晴」とはこの出来事が由来とも言われています。

わが国最古の歌集「万葉集」歌人大伴家持のゆかりの地「高岡市」

時にして、源義経の時代を遡ること400年ほど前の高岡市に「万葉集」の代表的歌人である大伴家持が国守として赴任していました。
天平18(746)年、29歳の時に家持は赴任し、5年間の滞在中に、富山県の美しい自然のなかで数多くの歌を詠まれて、479首のなか223首を高岡で詠んだそうです。
加賀藩前田家とゆかりのある勝興寺の本堂横には、家持が詠んだ万葉歌碑が建てられています。
また、雨晴海岸は大伴家持が訪れるたびに絶賛したスポットだったそうで、雨晴の岸に寄せかえす波、岸近くの奇岩、白砂青松が続く海外の風景に感動したそうです。
冬の晴れの日に見られる立山連峰の雄大な絶景を、家持は『立山に振りおける雪を常夏に見れども飽かず神からなし…(立山に降り積もった雪を、一年中見ていても飽きることはない。神にそむかない山だからであろう)』と詠んだそうです。

北陸を代表する名古刹「雲龍山 勝興寺」

戦国時代である文明3(1471)年に創建され、天正12(1584)年に越中国庁があったとされる現在の地に移転した古刹「勝興寺」は、その広大な敷地に国指定、県指定の重要文化財が数多く有する寺院です。
勝興寺は、戦国時代、越中一向一揆の拠点となった寺院として活躍し、越前朝倉氏、甲斐武田氏などの戦国大名や本願寺、京都公家などとも関係を深めていた歴史があります。
藩政時代に入ると前田家と関係を深め、幕府から越中での浄土真宗の寺院として任命を受けていたそうです。
現在、およそ3万平米の境内には、12棟の建造物が重要文化財に指定されており、江戸時代中期から後期にかけて建てられたものだそうです。
また、勝興寺には「七不思議」と言うものがあり、それは、「実が成らない銀杏の木」、「天から降った石」、「水の涸れない池」、「魔除の柱」、「屋根を支える猿」、「雲龍の硯」、「三葉の松」の七つです。
これらの中でも、天から降った石は今から200年ほど前に、国分の浜に天から落ちてきたと逸話のある石で、叩いてみると石なのにカンカンという響き音がするそうです。
勝興寺に参拝して、この七不思議の由来をひとつ、ひとつ確かめるのも、楽しい旅の思い出となるのではないでしょうか。

ドライブ気分で、国定公園「二上山(ふたがみやま)公園」に出かけてみる

JR高岡駅から、車で15分ほどの「二上山万葉ライン」は、緩やかに山間を巡るおよそ8.4キロのドライブコースです。
二上山は、昔から神の山として崇められており、山腹や山頂からは立山連峰から能登半島までの景観を一望できます。
道路沿いには守山城跡、山頂近くには平和観音像、大伴家持像、さらに仏舎利塔、平和の鐘、万葉植物園、二上山キャンプ場などのスポットがあり、ドライブをするだけでない楽しみ方もできる場所です。
また、仏舎利塔近くの「平和の鐘(口径:1.82m、重量:11.25t、鐘身:2.57m、総高:3.33m)」は、銅器生産日本一の高岡が誇る大梵鐘で、重さは11トンもあり誰もが自由につくことが出来る鐘としては、国内最大級の大きさを誇っています、
二上山万葉ラインを下っていくと、大伴家持が国守として赴任していたことに関連する書物や資料が示されている「高岡市万葉歴史館」があり、館内では万葉の文化と歴史を知ることができます。

鋳物発祥の地「高岡」で鋳物制作体験を楽しむ

街並みは、千本格子と石畳で彩られ、今も江戸時代の風情を感じさせてくれる「金屋町」は、高岡鋳物発祥の地「金屋町」は、江戸中期頃には釣鐘や灯籠などの銅鋳物がつくられ、江戸末期には銅器鋳物技術をさらに磨き、仏具や花びんなどの日用品だけでなく鑑賞性の高い製品も生み出した歴史を有しています。
高岡の鋳物製品は、国内だけでなく海外にも輸出される製品として、現在その地位を確立しています。
金屋町の創業万延元年の「大寺幸八郎商店」では、ネックレス、ブレスレット、イヤリング、キーホルダー、自分だけのオリジナルアクセサリー作りを楽しみながら、抹茶と地元の菓子をいただきながら、ゆったりとした時間を過ごすことが出来ます。

高山の日本海のグルメが満載

富山湾は、海鮮食材の宝庫とも言われるほど、美味しい海鮮類が豊富です。
高岡駅近くの海鮮専門のグルメ店舗「海鮮問屋 柿の匠」では、甘エビ、白海老、ウニにホタルイカ、そして季節の旬魚など、魚がこぼれるくらいに盛り付けられている銘品「高岡丼」が人気です。
その他にも、かにちらしや白海老天丼、白えびの刺身、冬には、ぶりのしゃぶしゃぶ、海鮮鍋、紅ズワイガニの鍋が満喫できます。
旅先で、新鮮な海の幸をたっぷり味わいたい方には、高岡氏は絶好の観光スポットであるとおすすめしたい場所です。