【石川県】最涯の芸術祭、美術の最先端。『奥能登国際芸術祭2020+』のご紹介

『奥能登国際芸術祭2020+』は、日本海に突き出る能登半島の最先端に位置する奥能登珠洲市の全域で行われる芸術イベントです。
珠洲市は、江戸時代から明治時代にかけて行われていた海上交通「北前船(きたまえぶね)」の寄港地としても栄え、多くの物品が交易される場所でした。
今でも、様々な伝統や祭礼が地域に根付いており、能登を代表する祭礼「キリコ祭り」が日本遺産に認定、食文化は「能登の里山里海」として世界農業遺産に認定されている地域でもあります。

■奥能登国際芸術祭2020+開催について

『奥能登国際芸術祭2020+』は、2021年9月4日(土)から10月24日(日)の期間に珠洲市全域で開催され、16の国と地域から53組の方々がこの芸術祭を盛り上げてくれます。
芸術祭での多くの作品は、様々な場所で展開が予定されていますが、芸術祭で大きく二つの代表的なプロジェクトがあり、その一つ目が新しいスタイルの劇場型民俗博物館「スズ・シアター・ミュージアム」と、もうひとつがミュージアムで展開されるモノの収集のための「珠洲の大蔵ざらえプロジェクト」です。
その昔から陸上と海上を通じて様々な物品が集積されてきた珠洲では、各家庭に眠っている年代物のモノたちが各家庭の蔵に眠っています。
日用品のほか、農具や漁具、膳や椀、キリコ灯籠など、蔵に眠っている物品が美術、民俗、人類学、歴史学など各ジャンルの協力をもと、収集、分類、保存、活用されており、「スズ・シアター・ミュージアム」では、そのモノたちが結集し展示されています。
「珠洲の大蔵ざらえプロジェクト」は、こうした眠ったままの「地域の宝」を市中全域から収集していく地域プロジェクトです。
地域住民、アーティスト、サポーターらの協力で収集された民具たちは、専門家に整理・保管され、アーティストの手によって「スズ・シアター・ミュージアム」で息を吹き込まれ、現在から100年余りの時間の旅を積み重ねてきたモノたちが、私たちに新しいモノとの出会いを楽しませてくれる予定となっています。

■ひびのこづえさんのコスチュームでのパフォーマンスイベント

アーティスト、ひびのこづえさんは衣装を作られる方で、その衣装そのものがアート作品として称されています。
ひびのこづえさんが今回考えたパフォーマンスは、これまではダンサーの方にアート的な衣装を着用して踊って頂いていましたが、今回は珠洲市民をはじめとする踊りたい方々がそれぞれにオーディションを受け、選ばれた方々がプロのダンサーと一緒にパフォーマンス行うというイベントになっています。
具体的には、「Come and Go」というタイトルの新作ダンスパフォーマンスで、その内容は、珠洲の美しい海の潮の満ち引きから浦島太郎のおとぎ話をモチーフにしたものだそうです。
世界的なダンサーの島地保武さんが演出振り付けを行い、RYUで初タッグを組んだ小野龍一さんの音楽で踊る予定です。
その他にも島地保武さんは、酒井はなさんと奏でる最高のデュオ「Piece to Peace」 の作品も上演される予定です。

■『奥能登国際芸術祭2020+』の巡り方

芸術祭が行われる珠洲市を巡るには、車、路線バスなどを利用して行くのもひとつですが、珠洲市内の広範囲に作品が展示されていますので、作品をきちんと鑑賞するには、ガイド付きツアーバス「すずアートバス」がおすすめです。
全ての作品を鑑賞できるように、「すずアートバス」は、4コースに分かれて運航されています。
午前中にはAコースとBコース、午後はCコースとDコースの運行ですから、2日間滞在で全コースへの参加が可能となります。
現地ガイドさんは全コースに添乗し、芸術祭の情報の他にも地域情報や作品制作の秘話などを紹介してくれますので、バスに乗りながら芸術祭気分も自然と盛り上がっていきます。
「すずアートバス」を利用するには、Webでの事前予約が必要となっており、8月中旬から開始される予定です。
スケジュールは、天候や道路状況により予告なく変更される場合もありますので、事前確認などを行うようご注意ください。
バス料金は、各コース大人2,000円、小人1000円、 全4コース乗車の通し券は、大人5,000円、小人2,500円

 

◇4コースのご紹介

【4コースの紹介】
・Aコース(三崎~日置~大谷方面)午前運行
能登半島の最先端岬を巡るコースで、富山湾を望む内浦から日本海に面した外浦まで海岸線沿いを走っていき、そのエリアに点在する作品を鑑賞していきます。

・Bコース(正院~蛸島~三崎方面)午前運行
多くの海外アーティスト作品を楽しむことができるコースで、海に関連した様々な作品が展示されており、三方を海に囲まれた珠洲の地理的特徴も併せて感じることができます。

・Cコース(飯田~宝立~上戸~直~正院方面)午後運行
16年前に廃線となった「のと鉄道能登線」沿線に展開するコースで、廃線された風景とアートを楽しむことができます。

・Dコース(飯田~若山~大谷方面)午後運行
里山と里海をどちらも満喫できるコースで、スズ・シアター・ミュージアムも鑑賞することができます。